詩人:IKUMI | [投票][得票][編集] |
母が泣いた。
「親不孝でごめんね。」
白い天井を見ながら言うと、
押し殺した声が聞こえた。
私には泣く権利もないから耐えた。
母はひたすら涙してた。
一向に回復したり悪化する私の身体には
もう限界が来ていた事を自分が一番よく
分かっていた。
「限界まで普通の生活がしたい。」
そんなワガママを聞き入れてくれた母。
あの男殺してやると涙して言う
母に思わず笑った。
…なんて、本当親不孝なんだろうか。
愚かな自分に腹が立つ。
周りを考えなかったあの頃の自分に
言い聞かせたい…
何やってんだと。
しっかりしろと…
神様、私に一人で乗り切れる勇気を
私に下さい。
幼なじみしか信用出来ない私に
勇気を下さい。
周りを頼らないと決めた。
どんなに辛くても頼らないと。
どうせ裏切るのは目に見えてるからと。
だから、一人で乗り切れる勇気を
最期に下さい。
母の為にも…