ホーム > 詩人の部屋 > IKUMIの部屋 > 鬼の目にも涙。

IKUMIの部屋


[700] 鬼の目にも涙。
詩人:IKUMI [投票][得票][編集]


母が泣いた。



「親不孝でごめんね。」



白い天井を見ながら言うと、
押し殺した声が聞こえた。



私には泣く権利もないから耐えた。



母はひたすら涙してた。



一向に回復したり悪化する私の身体には
もう限界が来ていた事を自分が一番よく
分かっていた。



「限界まで普通の生活がしたい。」



そんなワガママを聞き入れてくれた母。



あの男殺してやると涙して言う
母に思わず笑った。



…なんて、本当親不孝なんだろうか。



愚かな自分に腹が立つ。



周りを考えなかったあの頃の自分に
言い聞かせたい…



何やってんだと。
しっかりしろと…



神様、私に一人で乗り切れる勇気を
私に下さい。



幼なじみしか信用出来ない私に
勇気を下さい。



周りを頼らないと決めた。
どんなに辛くても頼らないと。
どうせ裏切るのは目に見えてるからと。



だから、一人で乗り切れる勇気を
最期に下さい。



母の為にも…

2016/03/05 (Sat)

前頁] [IKUMIの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -