詩人:どるとる
暗闇に 咲くように灯る明かりは
誰かの代わりのように 笑うのです
扉が開くように まぶたを開ければ
小さな幸せを 少しずつ味わいながら
昨日今日明日と 生きていくのです
泡になって 跡形もなくなくなるまで
僕は見届けたい 始まりから終わりまで
動き出したフィルムが映す世界の出来事
手の届く範囲の狭い世界を映す
またひとつ 必要ななにかを忘れては
またひとつ 余計ななにかを覚えて
形をなくしていく世界を見つめている
やがて、消え去る ぬくもりは今だけは
あたたかくこの体を巡る赤い血潮。