詩人:矢野元晴。
いつもどおりの定型文で返信
それに答えるあなたの文字が
5年前の冬を甦らせる
メールより電話が好きなあなた
話し方も、笑い方もあの人と重なる
昔の話で盛り上がり、互いのキズをなめあった
過去を引きずるあなたで
過去を答え合わせするように
取り戻せないと知りながら
あなたに溺れる
ある日の夜、あなたの声は病んでいた
理由は聞かない今更
思い出を少しずつ上書きして
眠れない夜は薬に頼る日々
いつか、いつか本当の笑顔で
笑い会えるよに
星の見えない夜は
傍にいて欲しい
愛してるなんていらない
少しずつでいいよ
同じ温度になったら前に進めるから