詩人:アい兎たヲ
死んでしまう程の壁にぶつかって
沢山の仲間達が死んだ
それでも生きよう
どうしても生きよう
そうして羽を持った
そうして鰓を持った
死んで死んで
永い時の中で
ようやく得た生きる力
あたしは
誰かが作った飛行機に乗り
誰かが作った服を着て
つまらないと呟いては
生きたいとも死にたいとも
感じない
暑さに毛を生え変えさせる事も出来ず
快適になるボタンを不機嫌に押す
この快適さはずっと続くだろう
この世界で一番弱いあたしは
幾数年たっても
空を飛べない
水の中で目を開けることさえ
できないまま
進化を拒み続ける
人と言う名の生き物であり続ける事に
ただ
諦めを噛み締めるだけだ