詩人:千波 一也
輝いていたとき、を
かぞえることで
くすみますか
くすくす、
と
泥にまみれた足もとに
わらう石ころ
紡がれる、
そら
届かないそらだから
甘えていたい、
背中は
青く
おぼえてゆくのは
忘れてしまう音ばかり
つばさも雪も
夕焼けも
朝露も
いつもいつも綺麗です、
失うことは優しい波間に
うずもれてなお、
冷たく醒めて
憂いのすみから古巣はかけます
こころあたりを引き裂くたびに
たとえば虹に恋いこがれ、
たやすく染まる橋です
今朝も
凛として、
刺されることを厭う針
夜はまだまだ月のものです
いざなううたは誰がため
行方もまぎれて
ここは遙かに
遙かに、こぼれて