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[191168] 機械の辭

詩人:どるとる


機械の体を 手に入れても きっと
僕らは 心から幸せになれない

働く喜びを その辛さを見失ってしまう
生きる 糧を 流れる血潮を感じれなくなる

レントゲンは いつもむき出しの鉄の骨
皮は柔らかく伸縮性のある素材

絵に描いても写真を撮っても 型通りの笑顔しか 浮かべられない

機械の言葉は プログラムをなぞるだけ
僕の中に百万通りのバリエーション

感情を読み取るよりもバーコード
繊細な感情を捨ててしまった脳髄が

頑なに人間だった頃の記憶を守るのは
命のあり方を心が否定するから

自分という存在が間違いであるために
機械の心臓が 高らかに脈動するたびに

「ジブンハナンノタメニイキテイル」と問いかけては

油の涙を 手のひらに溢れるほどにこぼすだろう。

2016/03/19 (Sat)
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