ホーム > 詩人の部屋 > 千波 一也の部屋 > 雪崩 > 投票

千波 一也の部屋  〜 「雪崩」への投 票 〜

  • 千波 一也さんの「雪崩」に投票します。
  • 不正防止のため投票は「詩人の部屋」の登録者のみに制限させて頂いています。
  • ユーザーIDとパスワードを入力して「投票する」をクリックしてください。

[93252] 雪崩

詩人:千波 一也



すべてを飲み込む激しい流れは

もはや雪崩と呼べない



かすかな吐息

たよりない足音

あしたをさぐる腕


たとえばそんな営みに

じっと耳を傾ける静寂こそが

雪崩の呼び名に

ふさわしい



待つものごとがあっても無くても

待たれているということだけは

くつがえらない決まりごと



白紙のうえで白線は

はじめからえがかれている


気付かずにすむことがおそろしさ



すべてを押し流す激しい雪崩は

とうの昔にはじまりがある



まばたきの間にうつろうものなど

はかなきいのちのほかにはない


駈けてゆくものには

駈ける姿がみえやすく

駈けない姿を

信じこむ


その失速を

雪崩はたしかに聴いている



終わりはすでに止まらない

はじまりのなかの

はじまりに


2007/01/10 (Wed)
ユーザーID パスワード
一言コメント  


- 詩人の部屋 -