詩人:甘味亭 真朱麻呂
花の命は短い
咲いたと思ったら
すぐに枯れる
それでも花は咲いてから枯れるまでの一生を美しいまま留める
人間のように嘘をついたり
誰かを殺めたりせずに
ただ静かに地味に一生を終わりまで暮らす
ただ風に揺れ
ただ季節もおかまいなしに
ただそこに咲いている
その姿はまるで
私が今まで見た
どんな女性よりも美しく 妖艶で 可憐だった
まるで化粧をしているように
花は枯れてもなお
その 妖艶さ 可憐さをなくさず
美しいまま咲いている
人間のように着飾ることなく
醜さをムリヤリに変えることもなく
花はただ風に揺られ
艶やかに花弁を広げ
陽光を浴び
瑞々しく咲いていた。