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[191627] ベンチ

詩人:どるとる


ありふれた毎日の 片隅に踞る思い
ふれたそばから冷えていく指先

うまく言葉にできない気持ちが
胸の中で渦を巻いている

駅前の 色褪せたベンチに座る孤独

寂しくないよ 強がって出した声

ふいに吹いた風に 笑われたよ

見上げた空は もう黄昏ている

日が長くなって 夜が遠くなった
あなたは優しくて泣きそうになる

時計が三周ばかりすると
人だかりも消えて静寂がやってくる

目を静かに 閉じて広げる箱庭

明けることのない夜がここにある

駅前の 色褪せたベンチに座る孤独

寂しくないよ 強がって出した声

ふいに吹いた風に 笑われたよ

見上げた空は もう黄昏ている。

2016/05/07 (Sat)
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