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どるとるの部屋


[7794] ベンチ
詩人:どるとる [投票][編集]


ありふれた毎日の 片隅に踞る思い
ふれたそばから冷えていく指先

うまく言葉にできない気持ちが
胸の中で渦を巻いている

駅前の 色褪せたベンチに座る孤独

寂しくないよ 強がって出した声

ふいに吹いた風に 笑われたよ

見上げた空は もう黄昏ている

日が長くなって 夜が遠くなった
あなたは優しくて泣きそうになる

時計が三周ばかりすると
人だかりも消えて静寂がやってくる

目を静かに 閉じて広げる箱庭

明けることのない夜がここにある

駅前の 色褪せたベンチに座る孤独

寂しくないよ 強がって出した声

ふいに吹いた風に 笑われたよ

見上げた空は もう黄昏ている。

2016/05/07 (Sat)

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