詩人:鰐句 蘭丸
いつの間にか 臆病者になっていた
少し前までは 俺は馬鹿で 正直で 優しくて 上辺だけじゃなく強い はずだった
愛する事 信じる事 友達 希望 優しさを引き替えに俺は
臆病者 を 手に入れてしまった
生命を賭けて愛して信じた愛する者は家族を捨てて去り
親友と信じた奴の捨てゼリフは
「友達でいてやったのに」
俺は心を閉ざした
馬鹿でいれば騙される
正直でいれば損をする
優しいとつけあがられる
弱いのはまっぴらゴメンだ
もっと 強く なる為に もっと 強く なる為に
俺は
馬鹿を捨てた
正直を捨てた
優しさを捨てた
愛してるとは言わなくなった
裏切られた時に悔しい思いをしない為に
人間を信じなくなった
騙されて損をしない為に
そして
そして
手に入れたモノは
臆病者の俺
手に入れたくなかったはずの
臆病者 だった