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詩人:白茹たま
昔々あるところに
真紅の頭巾被りし娘
彼女を人々はこう呼ぶ
「赤ずきん」
彼女は祖母の 家向かい
見舞いの為の 花探す
「花畑の場所はどこかしら」
一人彷徨う真紅のあの娘
食べてしまいたいくらい 可愛い
「ちょいとお嬢さん」
花畑へ連れ出して
純粋 そして馬鹿だな
花を摘む後ろ姿
嗚呼 可愛い
食べてしまいたいくらいに ね
「食べてしまおうか」
いや それは勿体無い
それくらい 可愛い
だけど とても美味しそう
マシュマロのような頬
柔らかな髪
甘い蜜のような香り
「胸が 痛い かな…」
駄目だ
無理だ
胸が痛い
今日は 帰ろう
「いつか 君を 食べさせて」