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[100343] 朧月夜

詩人:千波 一也



水の匂いが燃えてゆく



漆黒は

うるおいのいろ


こぼれてはじまる

灯りにけむる、

波のいろ




疎遠になれない花の名に

ひれ伏すともなく

かしづく儀礼は、


いつかの川上


衣擦れを漕ぐ

ささやきの






面影がむすばれてゆく


一途に揺らぐ炎となって

重なることを

こいながら


涙、


線を越え

またひとつ

懐かしくなる



2007/04/16 (Mon)
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