詩人:千波 一也
もうどこにも帰れないそんな気がした夕暮れはどんなことばも風にした ながれる雲の 行き先はしらない 突きとめずにおくことが しあわせだとは かぎらない 揺られる髪は音もなく より添うでもなく 離れるでもなく透けてゆくものに残されることそれが、時刻ほんとも嘘も燃えるようにしてかばい合い、奪い合いそれゆえに、水それすらも水にしてたとえば明日が右手なら左の手には温もりを置きかなしみの日を輝くために両の岸から