詩人:どるとる
様々な人の物語を 背負うように
安全にあなたを向こうの道に渡すため
名前もない錆びて色褪せた歩道橋
忘れられても泣いたりしない強いやつ
夜でも朝でも夕暮れでも君が渡るのを
何も言わず黙って見ている歩道橋
暗い夜には明かりを灯してくれる
車社会の現代じゃ交通の利便性なんてささやかなものだけど
僕は好きなんだ そんな控えめな君が
これからも使わせてもらうね 歩道橋
車の排気ガスで汚れても
ごみを捨てられても黙って君は
そんな誰だって 隔たりなく 渡らせる
そのための歩道橋 でもがんばり屋さんだ
夜でも朝でも夕暮れでも君が渡るのを
何も言わず黙って見ている歩道橋
暗い夜には明かりを灯してくれる
車社会の現代じゃ交通の利便性なんてささやかなものだけど
僕は好きなんだ そんな控えめな君が
これからも使わせてもらうね 歩道橋。