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詩人:百年草
いつの事だろう。
キミが初めてここに
来たのは。
勝手に付けた
格好の悪い名前で
ボクを呼ぶキミ。
毎日のように
来るから、
ボクもその名前に
慣れてしまったよ。
いつだったかな?
君の手には
小さな花。
その花を
ボクの首に
着けてくれた。
ボクは
男の子だから、
少し恥ずかし
かったよ。
いつからだろう。
キミがここに
来なくなったのは。
ボクは何度か
空に向かって
鳴いてみる。
寂しい訳じゃない。
きっと、
只 退屈なだけ。
いつからだろう。
キミに会いたいと
願うように
なったのは。
ボクは何度か
空に向かって
鳴いてみる、
泣いてみる。
いつかまた
キミがここに
来た時に、
一目でボクだと
わかるように、
首には
花をさげたまま。
ボクは何度も
空に向かって
鳴いてみる、
泣いてみる、
哭いてみる。
気付いたら
ボクの喉は、
花と一緒に、
枯れていた。