詩人:黒
雨…
傘をさすのが嫌いでもここでは関係ない
傘はささないが濡れるのが好きな訳じゃないから
菓子でも食いながらゆっくり帰るよ
脈々と流れる路線と生活
確実にそこに存在するという事実
幸せも不幸せも
志すらわからなくなる
山あいを通り抜ける白い竜
顔も尾も視界に入らないくらい大きい
本当にあの雲から飛び出してきたのだろうか
竜を追って気付けば母のふるさとに
そこには曲刀を持つ者はいない
ガムを咬む少年
見つめる先は文明の死
その下には美しい者の死
大好きなレストラン
愛想の悪い店員
風でできる水面の波
幾つもの波紋を作る
ただ人だけが思う…
ただ人だけが思う…
元は全てあなただったんだろう
寂しく大きくて美しい
全てがあなただった
私はあなたからもらいすぎた
何もかもあなたに無い物を求め過ぎた
そしてこれからも
これからも
人間だけが…