詩人:流浪
―私、青が好き―
いつかの君がキレイな瞳を輝かせて話していた。
―どぅして?―
ボクが聞くと、小さな顔にシワいっぱい寄せて
―空が好きだからっ―
満面の笑み。ボクは、その笑顔が大好きなんだ
いつまでも見ていたい
けれどその願いは届かず‥今はもぅ、あの空の中
ボクはその日から誰よりも空を見上げるようになった
いつしか君に問い掛けるようになった
君に話し掛けるようになり
あたかも君がそこにいるかのように
そして笑い掛け泣き崩れた
受けとめられずにいた現実を、ボクは少しづつ受け入れていった
もう大丈夫
もう一人じゃない
だって見上げればそこにはあの日の君のしわくちゃな笑顔
―私、空が大好きなんだ―