詩人:トリ
あの頃書いた 詩
つたない文で 雪の魅力を
ただ純粋に 書いている
“雪の魅力”
テーマはそれだけ
たった それだけ
今の私が書いた 詩
感情を込めると 愚痴
冷静に書いても 論文
大人になると
きちんとした文が書けるようになる
ただ それだけ
“きちんとした”というのは
テンプレートのようなものであって
すなわち 言葉の自由が効かないことが多々ある
ハイ、論文
まったく大人というものは
つくづくツマラナイ
上っ面だけの文に 吐き気がする
ハイ、愚痴
まるで八方塞がり
ねぇ、あの頃の私
あなたはどうやって
この言葉の海を泳いだの
言葉の星が散らばる空を
自由に羽ばたいていたの