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[150699] レムの翼

詩人:トケルネコ

少年は夜に敵意を供えて
校舎の屋上で泣く


真夏の空は不可解な音色の海
地熱の放つ声に樹々が燃え上がる


透き通るようなラジオの70'sの歌
それは青い林檎を齧る音に似て、苦い


フクロウは深夜のコンビニを覗き回り
まだ幼かった頃の自分を探す


天使はいつも乾いた傘を広げては
繁華街の泥を眺めてる


傷口から見える碧い珊瑚礁
見たこともない深海の蛇


少年は薄明に悪意を葬り
校舎の屋上から墜ちる


少女は朝に声を詰まらせて
そんないくつもの夢から覚める



ユレル波間からのぞく褪せた爪先へ
そっと手を添えるように暁の緋が飾る



少女は厚いカーテンに包まって

そんな夢から覚めた夢を見た



2009/12/02 (Wed)
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