詩人:浦覇
車の助手席
君の白い指に映える
赤いマニキュア
癖の様に自らの指を食み
陶酔の目で空を見詰める君は
あまりに幼く
それでいて官能的だから
君を見てしまわぬよう
視線を必死に逸らす自分の姿が
余りに滑稽。
君を気兼ねする僕とは裏腹に
まるで上の空な君
僕の視線に気づいて欲しいような…
欲しくないような…
そんな葛藤で
赤信号の度に
調子外れの鼻歌を歌いながら
車のハンドルを打楽器に見立て
コツン コツンと鳴らすけど
それを知ってか知らずか
悪戯そうな顔で
微笑む君は
また僕を混乱させる。
嗚呼、
こんなドライブ
早く終わってしまえばいい。