詩人:夢野咲道
晴れた空に
流れる白い雲は早送りのようにその姿を変えてゆく
風は唸りを上げて
何度も何度も木立ちの間を駆け抜けていく
右に左に縦横無尽に駆ける様は
風邪小僧の悪戯よりも激しく
強い風の中
トンビも低く舞う
荒波に立ち向かうサーファーのように
その強い風を楽しんでいるのか?
それとももがいているのか?
大木の陰に
身を潜めるかのように咲いている小さなタンポポは
風に他向かう事もせず
逆らう事も良しとはせずに
ただその花を揺らしている
それも、これも
もうひとつの春の風景
2008/05/02 (Fri)