詩人:千波 一也
桜の小枝にかえります
ほのかに色づいては
失うそぶり、の
はかりごと
お逃げなさい、と
ともる影
うなずく首は
まだみじかくて
黒の
とちゅうで
染まってしまう
お待ちなさい、
砕いてゆくから
砕かれる
ほころぶ鏡は
ほのおのかおり
橋をしずかに
鬼が、
舞う
よる
三日月と
およいだ名残は
目のなかの
しろ
いまも一途を
よそおいながら
するどさに、
微笑みは
にぶく
花のなまえ、のような
淡さをそっと
たべて、
います
岬のさきまで、
いつかの
奥から
2007/06/20 (Wed)