詩人:どるとる
空気が冴えている そんな気がする
ラジオが告げる天気予報は晴れ模様
名前もわからない気持ちになる
何色かもわからない色に染まっている
海沿いを走る 自転車は快調に
邪魔くさいレールもない旅路だ
日の出の時間を腕時計で確かめて
夜明け前までには間に合うように
「その時」を逃さないでいて
失ってしまうのはあまりに残酷だ
どこの誰かもわからない誰かを思う
大多数の僕と君をつないでる関係とやら
手を伸ばせばすぐそこにある未来
一呼吸するだけで今が過去になる
不思議な巡り合わせかもしれない
僕と君の間にあるささやかな奇跡
指折り数えてる 生まれては消える時を
まるで写真のように 思い出に刻まれてる
海沿いを走る 自転車は快調に
邪魔くさいレールもない旅路だ
日の出の時間を腕時計で確かめて
夜明け前までには間に合うように
この得体のしれない高揚感を
ただのつまらない企みに変えないで。