ホーム > 詩人の部屋 > さみだれの部屋 > アスタロテの森 > 投票

さみだれの部屋  〜 「アスタロテの森」への投 票 〜

  • さみだれさんの「アスタロテの森」に投票します。
  • 不正防止のため投票は「詩人の部屋」の登録者のみに制限させて頂いています。
  • ユーザーIDとパスワードを入力して「投票する」をクリックしてください。

[185599] アスタロテの森

詩人:さみだれ

月の光のもと
眠る少年を少女は見ていた
今日まで溢さずにいた涙や
後悔や寂しさや
それらをすべて少年の頬の
まだほんの少し温かい少年の頬の
笑窪に触れて我慢した

(この森にはアスタロテがいてね
夜になると迷いこんだ旅人や
村の子供を魔法にかけて寂しくさせるんだ)

少女は思い出していた
昨日のことも一昨日のことも
もっと前のことも
「お母さんの声が聞きたい
絵本を読んでほしい」
そう思ってしまった少女は
涙を流しながら微笑んでいた
目の前にいた少年は霧のように曖昧になり
消えていくそばで
少女はついに眠りについた

2014/07/18 (Fri)
ユーザーID パスワード
一言コメント  


- 詩人の部屋 -