詩人:黒夢
伝わらない言葉。
声にならない願い。
届かない想い。
失ったそれらの代わりに僕は、絶望を手にした。
伝えられた言葉。
代弁された願い。
届けられた想い。
君の手にのっている、僕が失った物達の断片。
どうか捨てないでいて欲しい。
君の手で、一つずつ繋いで。
君の好きにしたらいい。
好きなように繋ぎ合わせて、組み立てて。
君の形に変えてくれれば良い。
だって僕はもう
君が手にしている物達が、どんな形だったのか
忘れてしまったから。
僕は僕で、欠けた箇所に大鋸屑でも詰めておこうか。
君の絶望を、僕が失ったもので補って。
そうして僕は、新たな絶望を手にした。