詩人:はるか
時は止まることなく
ゆっくり流れていく
すすり泣く声は
どこか遠くて
現実との境が
うまく見つからない
手入れの行き届いた庭は
今年もやがて
白い花が咲くだろう
あなたが慈しんだ
ものたちが
今は静かに
息をひそめて
水面(みなも)の月を
眺めてる
薫る五月の風にのり
あなたが運んだものは
何だったかと
思わず問いかけて
口をつぐんだ
言葉にするには
もどかしく
留めておくには
しのびなく
ただ ただ
冷えた腕をさすり
有りし日の面影を
なぞるだけなのです
2007/05/19 (Sat)