詩人:さみだれ
雲が膨らんで
パンって弾けたんだ
きっと誰かがトゲを刺して
傷つけたのだろう
避けたのだろう
そうして信じるもののいなくなった
孤独の沖で
いつかの人魚が浮いている
浮いている
ああ、そうだよ
私の脳はこれ以上
現実を脚色することはできない
事象の側面に穴が開いて
みんな外へ抜けたあとに
神様はぽつんと胡座をかいて
何を思うだろうね
この現実なんてものは
付加価値でしかないんだと
私は思うよ
町中に貼られたポスターは
君を騙る
そしてまた
信じるもののいなくなった
孤独の沖で
人魚が浮いてしまうのだろう