詩人:どるとる
君は多分笑っても笑ってないよ
雨上がりのあとも
かすかな 不安を残して
買ったばかりの花も 枯れたわ
レールの上を がたごと
二両編成の電車が 渡る
窓越しにレリーフ
純白のセレナーデ
軋んだ音で
回る 歯車の
歯ぎしりのような
泣き声を世界の 誰が知るだろう
どうか最後はありふれたハッピーエンド
今も昔も離ればなれの私とあなた
寂しさなんて とうに風になって消えたよ
昼下がりの 庭
感情は波のよう はげしく上下する
砂漠の 蜃気楼
あでやかな幻
絶頂 手前の
恍惚の 笑みで
てっぺんまで上らせてくれないか
太陽に ふれるほど空に近づきたい
それは あなたが見た 光
広がる闇を越えて
軋んだ音で
回る 歯車の
歯ぎしりのような
泣き声を世界の 誰が知るだろう
どうか最後はありふれたハッピーエンド。