詩人:康介
二十二年という長い月日
あなたはたくさん苦しんだ
風呂に入るのもはばかられ
毎日 油のような薬をぬったくり
服はすぐ血まみれ
顔色も悪く
床に皮膚が剥がれ落ち
あなたは毎晩呻き声をあげる
わたしはあなたに何もしてあげられなかった
あなたはわたしに
苦しみを分かちあうことも
あなたの前で泣くことも
許してはくれなかった
でも あなたはつよかった
この二十二年 生きるだけでも大変だったでしょう
あなたはもうわたしの元にはおらず
社会の中に飛び出してしまった
そのぼろぼろの体で 必死に 必死に闘っている
わたしにはその背中を見守ることしかできないのです