ホーム > 詩人の部屋 > 千波 一也の部屋 > > 投票

千波 一也の部屋  〜 「暁」への投 票 〜

  • 千波 一也さんの「」に投票します。
  • 不正防止のため投票は「詩人の部屋」の登録者のみに制限させて頂いています。
  • ユーザーIDとパスワードを入力して「投票する」をクリックしてください。

[118598] 

詩人:千波 一也


海が眠る

その貝殻を

ためらいもなく

拾い上げて


ひとは口々に

語り始めるだろう

春を


春のための春、に

何をも待たず


つとめて実直に

見失うだろう

名もなき

春を



描かれ過ぎた岸辺も雪も

かろうじて

ある


ひとつの重みに

凛として


隠れ、さまよう

目と耳に

うたう



生まれたばかりの

うそを温めて

いつしか影は

波音に


さらわれる、

風のその肉声の

古い痛みが

ようやく

ほどいた

諦めを



やわらかな、




知らずにおけない

結晶の朝が

告げている


真正面から

背中へ




2008/01/08 (Tue)
ユーザーID パスワード
一言コメント  


- 詩人の部屋 -