詩人:ナナエ
春はまだ遠い
コンクリートもまだまだ遠い
土は
サラサラの粉雪が重なる厚い氷の層の下で
いまも冬眠中
下を向いて歩かなきゃ
道は前を通った人が創るから
上を向いて歩いちゃダメだよ
朝も昼も夕方も変わらない雪雲が覆う
灰色の空だから
ただひとつ教えてあげる
冬の夜は
上を向いて歩かないといけないよ
こんな手が届きそうなオリオン座も
宇宙を肌で感じられるこの空気も
一生に一度のこの瞬間
最高の贅沢が私だけのものになる
だから私は冬が好き
どんなに厳しくても
この地で生きていけるのだ
2013/01/05 (Sat)