詩人:高級スプーン
君を手放す勇気があれば
他に必要なものは無いよ
だから僕は下を向いて
何かを書いた
君が好きだ
でも僕は
好きでもない嫌いでもない
分からない行為を
続けてばかり
左手が動き両目が見つめて
何かを作った
君を哲学して出た答に
いつも僕の気持ちが
足りなくて
それを埋めるかのように
何かを描いた
推敲するうちに二人は
画面から消えて
居なくなった
どうしよう
白い紙の上の消しカスを
拾い集めれば
君と僕になるんだと
本当は知っている
拒むんだ
繕った強さが
このままだと
君は連れ去られて
僕は