詩人:花房優希
貴方の色に染まった部屋には
今でも独り善がり 想いだけが溢れかえって
遠くの人を振り返り目を瞑った
裸足で茨の上を歩いているように痛かった
血だらけの包帯は葬り去られ
カサカサの瘡蓋を弄ぶ
愛を語った指先は 今ではすっかり傷だらけ
癒えない過去を引き摺っている
カーテンを開けないのは
外を見るのが怖いから
貴方がいないのが怖いから
「明日」を見るのが、怖いから
愛を知った私は臆病者
縋り付いて泣き叫ぶことすら出来ない
愚かで卑怯な道化師
笑顔さえも忘れてしまったよ
軋んだ胸は貴方ばかりを追いかけて
はやくおいでと声をかける
彼岸の向こうに君を知る
いつだって私は置いてけぼり
貴方の背中を見つめてる
ああ、まだ当分
私はキミを忘れられそうにないようだ