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花房優希の部屋


[9] 忘れ人
詩人:花房優希 [投票][編集]

貴方の色に染まった部屋には

今でも独り善がり 想いだけが溢れかえって

遠くの人を振り返り目を瞑った

裸足で茨の上を歩いているように痛かった

血だらけの包帯は葬り去られ

カサカサの瘡蓋を弄ぶ

愛を語った指先は 今ではすっかり傷だらけ

癒えない過去を引き摺っている

カーテンを開けないのは

外を見るのが怖いから

貴方がいないのが怖いから

「明日」を見るのが、怖いから



愛を知った私は臆病者



縋り付いて泣き叫ぶことすら出来ない

愚かで卑怯な道化師

笑顔さえも忘れてしまったよ

軋んだ胸は貴方ばかりを追いかけて

はやくおいでと声をかける

彼岸の向こうに君を知る

いつだって私は置いてけぼり

貴方の背中を見つめてる

ああ、まだ当分

私はキミを忘れられそうにないようだ

2006/04/22 (Sat)

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