詩人:木菟
雨がぽと ぽと ぽと
涙なら 用途別に 使用してください そういう仕様なので
また 楽しさも わたし は あなたに 使われるために 生かしてもらうために
葉が揺らされている 冷たい雨に打たれて と と と
用水路が じょろろ ちぃょょろろ
鴉が鳴いている 虫も 僕らは 震えながら それでも 動き続ける
鳴いている事に 泣きたくなったり
雨粒 肩に とんてんとん
変わらないでいて 高々とあげた旗
雨より雪より冷たいような眼 身体中痼になって
触れ続ける手を叩きつける訳でもなく 宙に止めて
と どん 数日前蝶と衝突した わたしは 死んだのか 瀕死なのか
胸を痛めることなく 前を向き続け加速した
黄色い黄色い いのち 有る蝶を 蝶を 蝶を 殺めたのです
雨より雪より冷たいような血が 流れ れ つとつとつと ととと
いつかの馬鹿げたお話 眠り続けて すやすやすや
勝手な創作 さよならの創作
目覚めたら 笑ってごらん 真剣な眼が ふざけた眼でも
くり貫いて確かめたがる 僕を 笑って
最後に笑ってほしい そうしたら信じれるだなんて
僕は もう人間じゃないのかも知れない
ぽと と と と