詩人:三歩
コースロープと水しぶきの間
たった25mの往復に
未だゴールを見出せず
気付けばもう
どれだけ泳いだんだっけ
不器用な僕は
立ち止まることにすら
罪悪感を覚え
迷いの気持ちはいったん
バタ足で底へ沈めて
右肘と水面で囲い込んだ
クロールの2等辺3角形
いびつな窓から
現在進行形だけを飲み込んでいる
塩素と抵抗だらけの中で
たった25mの往復に
相も変わらずゴールはないけれど
不器用な僕は
迷いの気持ちに
時々足をとられながら
次のターンに
その都度
小さなゴールを
かみしめてみようか。
「ため息だなんて言わないで、
これもただの 息継ぎだから。」
MINNA1231