詩人:夢路
毎日好きでもないデッサンを描いた
描いた
描いた
でも描いた意味が無くなった
結局努力賞しか貰えなかった
絶望した
才能なんか無かったんだ
間違いだったんだ
自意識過剰だったんだ
もう絵なんか描かない
絵を捨てた私に残ったのは努力賞だけだった
ある日先生に言われた
「自信を持て。お前は割と才能がある方なんだから。」
泣いてしまった
お世辞だったかもしれない
それでも
それでも
うれしかった
めったに人を誉めない先生が言った言葉は
心の中の傷に消毒液をかけてくれた
しみた
涙が止まらなくなった
絵を描くことを
あきらめたくない
あの時見捨てないでくれた
先生のためにも
自分のためにも