詩人:番犬
この丸みを帯びた細いボールペンは宇宙線の波間に散らばった星間の距離を描くために在るのではなく偉大なるアルキメデスやソクラテスのその哲学を描くために在るのでもないこの地上のどこにでも在るような廃材や店舗や土埃の隙間の一枚の草の葉を描くために在るのだ風に吹かれては寒そうに震えるその一枚の草の葉を描くためだけに