詩人:W
ナナオ
どうかベッドを下りないでほしい
その白いシーツと戯れて 縫い留められるよう そこに横たわっていておくれよ
ナナオ
白皙の美貌は何一つ 汚れちゃあいないように見えるよ
ナナオ
白桃の味を覚えている?
まだ熟れていなかった
余り美味しくないね と
貴方は言ったね 二人で苦笑いしたね
覚えている?
ねえってば
ナナオ
もう 何も 言わせやあしない
その唇から嘔吐される言葉は
最早
私を満たしてはくれないのだ
ただ 赤い果実の心臓に 爪をぐさりと突き立てられる様
ナナオ
何よりも果敢無い
かつては愛しいと
貴方がそこに居る限り
私はこのナイフを振り上げずに済むのです