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詩人:右色
一年前に飾った花は
枯れて
種を残し
小さな芽になった
私は思う
この小さな芽が去年と同じように
スカイブルーの花を咲かせることは
決してないだろう、と
自分で買った花ではない
もう私の傍から居なくなってしまったあの人が
持ってきた花だ
みんな
しつこい、と思う
彼はあっさりと居なくなり
花もあっさりと枯れ
種だけが残った
何もかも忘れたいと、そう思った
だから忘れた
捨てたと思った種を見つけたのは2月の終わり
何も考えずに
ただ、そうあるべきだと思って
種を植えた
私はその芽を見つけた時
笑って、泣いた
私の一年はようやく終わった
その芽からは去年とは
違う色の花が咲いた