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千波 一也の部屋  〜 「月光」への投 票 〜

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[131296] 月光

詩人:千波 一也

きのうを飾る

わたしの言葉の裏がわで


だれかの爪が

あしたを研ぎます



 輝こうとする意思は

 ばらばらに統一された

 石として


 きらきら、と

 眠るのです




しまい忘れた

鏡の奥で


炎と土とを

みごもる水は

しずかに毒を清めつつ、


みな

頑なに

壊してゆきます




 慣例という免疫は

 ほろびの音色、


 おそろしく

 美しく


 そそぎます




ふたたび、


ふたたびの上澄みに

取り残されて


夜は

さびしく

溢れてゆきます


ただ、夜を



2008/09/02 (Tue)
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