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詩人:右色
小さくて緑色のアマガエルを
手のひらに乗せる
良く見るとグロテスクだけど
良く見ないからカワイイ
アマガエルの背景になっている
少しだけ遠くの景色を見て
少しだけ昔を思い出す
小さい頃
カエルが苦手で
アマガエルなんかは見ただけで泣く始末だった
それなのに
今はこうして手のひらの上に乗せて
別に絵を書くわけでも何でもないのに
じっくりモデルにしている
あの頃
なんでカエルが苦手だったのか怖かったのか
忘れてしまった
その忘却は寂しいことなのだろうか
私には分からない
簡単な答えなんて要らない
一緒に考えて
分からないって言ってほしい
アマガエルは何も言わずに去った
一人になった私は
この気持ちを
誰かに伝えたかった
懐かしくて寂しくて、でも不思議と嫌じゃなくて・・・
私は久しぶりに
携帯電話の電源を入れた