詩人:千波 一也
煮物の味は素朴であるけれど素朴であるがゆえにこそむずかしくて奥深いごらんなさい、たけのことさといもとしいたけとなんの疑いもなく一緒くたわたしは素朴に生きたいけれど素朴に生きるということは言葉でいうほどたやすくないあこがれもとまどいもいつわりもどろどろになって一緒くた箸をほんのり湿らせるやさしい光りに煮物を嗅いでわたしは優しく優しさをはむ