詩人:高級スプーン
ヘッドフォンを
貸して下さい
僕のは壊れているから
ヘッドフォンを
貸して下さい
黒猫の断片のような
背中を向けて唄う
彼女の声が聞きたいから
フェンスを越えても
変わらなかった
望みなんて
落ちてなくて
うずくまって目を閉じた
ヘッドフォンを
貸して下さい
赤犬の断片のような
優しさを背けて唄う
彼女の声が聞きたいから
後ろ向きの彼女は唄う
前を見ないで僕は聞く
ヘッドフォンを
貸して下さい
僕のは壊れているから
ヘッドフォンを
貸して下さい
代わりにはなれないから
君の側に居たいんだ
2005/01/08 (Sat)