詩人:緋文字
もう
白く肌に同化した
古い疵
あの人と私の温度が
合わさる時にだけ
赤く浮き上がる
もう
片時も離れない
わけじゃない
ただの記憶
背徳心が
色濃く浮かび上がらせて
遠くの貴女が
心で抱きしめてくれた
もう還していいのかな
孵らないものは帰らないと
気持ちを返してばかりでは
きっと
何も変えられない
産まれたものが
『命』
そう決めて見れば
新しいものが
生まれてくるんだよね
それは
すり替えじゃない
貴女に
抱いてもらいたがってた
私のヒビ入り卵
別のカタチで孵してみせる
2005/10/05 (Wed)