詩人:タキシード詩者
風船のようにフワフワと
何かに縛られていなければ
ある日突然
ふとした瞬間に落ちてしまうのでしょうか
何かに縛られていたら
いつの間にか
人知れずうなだれてしまうのでしょうか
時計のようにチクタクと
規則正しく進まなければ
誰からも
必要と呼んでもらえないのでしょうか
足を止めてしまったとしても
すぐにまた
代わりがあるのでしょうか
あなたのようにキョロキョロと
常に居場所を確かめなければ
いつか忘れてしまうのでしょうか
誰かの視線を気にしなければ
自分の顔も分からなくなってしまうのでしょうか
屁理屈ばかり唱えて
目にうつるもの全てが
汚れていってしまったんだ
本当は
風船のようにフワフワと
ありたいままに
いきたいままに
そう願っていたことも忘れて