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[29060] 「大気」

詩人:月見

大気、

鳴動する、

震える不可視の空、

夏の蒼い空の、

熱さと冷たさ、

透明なトンボたち、

飛翔する鳥、

あの空を行く、さまざまのものたち、

朝の空気が軽く、わたしをつつみ込む、

そして、大気を切り裂く音と光、

熱気が呼んだ大気の擾乱―雨。

水たまりを車が通る、飛び散る水しぶき、

そして、雲が行くと、また、蒼い空が戻ってくる。熱気と冷たさを含んだ透明な、あの透明な、夏の光と色。

傘をしまう、再び歩き出す、また、誰かが歩き出す。

夏の光の下、どこまでも空は続く、

だから、わたしたちは歩く、あの夏空の下を。

2005/03/06 (Sun)
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