詩人:月見 | [投票][得票][編集] |
大気、
鳴動する、
震える不可視の空、
夏の蒼い空の、
熱さと冷たさ、
透明なトンボたち、
飛翔する鳥、
あの空を行く、さまざまのものたち、
朝の空気が軽く、わたしをつつみ込む、
そして、大気を切り裂く音と光、
熱気が呼んだ大気の擾乱―雨。
水たまりを車が通る、飛び散る水しぶき、
そして、雲が行くと、また、蒼い空が戻ってくる。熱気と冷たさを含んだ透明な、あの透明な、夏の光と色。
傘をしまう、再び歩き出す、また、誰かが歩き出す。
夏の光の下、どこまでも空は続く、
だから、わたしたちは歩く、あの夏空の下を。