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[152224] サブウェイ

詩人:evans

それは

ぼくにとって
未知の世界だった

語学が不得意なだけに余計に
踏み込み難い空間だった

サブウェイ

危険で暗く汚い

そんな噂を聞いていた
そんな記事を眼にしていた

多様な人々を乗せながら
街のストリートアとベニューを

24時間つないだ歴史

世界経済の中心地
ミュージカルの中心地
芸術の殿堂

さまざまな街の表情とともに
時代を越えて走り続けた

サブウェイ

2010年
新年を迎えた極寒の街

カフェで朝食を終えて

不安と期待で階段を降りた
50ストリート駅

オレンジ色の電球に
照らされた薄暗い空間

鉄格子に囲まれた
無人の改札口が表れる

出口専用の
重い鉄の回転扉

僅かに蛍光灯に照らされ
ホーム向こう側には4本の
線路が広がっていた

ハーレム方面への
急行列車が通過してゆく

黒の服に身を包んだ
見慣れない黒人男性
2〜3人がホームに

路線図で赤色の線は
かなりの歴史と郷愁を
感じさせた

ローカル列車で3つ目
72ストリートで降りた

ぼくが好きなジャズ
スタンダードナンバー
「A列車で行こう」

のちに此処が舞台と知って
愛着が湧いてくる

オレンジとブルーの
光に照らされた軌道空間は

一つの芸術に感じられた

(2010.1.3)NYマンハッタンにて

2010/01/14 (Thu)
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